ストップ透析!糖尿病性腎症について
糖尿病の三大合併症(神経、眼の網膜、腎臓 し、め、じと覚えます)の最後にでてくる合併症が糖尿病性腎症です。糖尿病性腎症の場合、急に尿が出なくなるのではなく、徐々に段階を経て病気が進行します。このため、できるだけ早期に発見し、適切な治療をすることが重要です。現在は、糖尿病性腎症が原因で透析を受けることになった人は、戦後、ものすごい勢いで増加しており、透析患者さん全体のうち44.1%(2012年末)と最も多い割合を占めています。
そもそも腎臓とはどんなものでしょうか。腎臓の主な仕事としては以下の3つがあります。
- 血液をきれいして、老廃物を尿として排泄する。
- 体の中の水分量、水分の成分を調節。
- 血圧や赤血球の量を調節するホルモンを分泌。
よって腎機能低下で出てくる症状としては、体の浮腫みであったり、貧血、高血圧などが出てきます。
毛細血管の塊りである糸球体と呼ばれるところが、高血糖状態が持続するとボロボロになって、通常の仕事ができなくなります。機能が低下し始めたころ、自覚症状はほとんどありませんが、タンパク質(アルブミン)が尿に出始めます。アルブミンは体にとても大切なものなので、尿に排泄されず、体に戻されるのですが、腎臓の機能が落ちてくると徐々にアルブミンが尿に排泄されるようになります。なので定期的に尿検査で尿中アルブミン量を測定し、現状の腎臓の状態を把握しておくことは大切です。
そして一度、壊れた糸球体を元に戻すことは難しいです。糖尿病、高血圧などが動脈硬化の原因となりますので、これ以上腎臓の機能が低下しないように糖尿病、高血圧などを良好にコントロールすることが大切です。
お糖さん 高瀬真吾
糖尿病専門医、内分泌専門医
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