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インスリン治療について~糖尿病治療薬紹介~

[2021.09.30]

糖尿病治療でインスリン治療を行う上で、インスリンの種類、作用について理解することはとても大切なことです。

インスリン製剤は、大きく3つに分けることができます。
①追加分泌を補うインスリン製剤 超速攻型インスリン
②基礎分泌を補うインスリン製剤 事項型インスリン
③追加分泌と基礎分泌の両方を補うインスリン製剤 ①+②の合剤

その他にも中間型インスリンなど存在しますが、最近では上記3つのインスリンが使用されていることが多く、特によく使用される超速攻型インスリン、持効型インスリンについて今回説明させて頂きます。

超速攻型インスリン

  • 商品名 ヒューマログ、ノボラピッド、アピドラ

健康な人は食後に血糖値が上昇し、その上昇を抑えるため食後にインスリンが分泌されることを追加分泌といいます。この追加分泌を再現することを目的として作られたのが超速攻型インスリンと呼びます。生理的なインスリンの追加分泌にかなり近づけることができます。
食事前の自己注射で、食後の血糖値上昇を抑えて食後の高血糖を改善します。
インスリンを注射して効果が出るまでは約10~20分と早いので、食事の直前に注射でき、仕事などで食事時間が不規則になった場合への対応が可能です。最近では食後でも大丈夫な超超速攻型インスリンも登場しています。また、インスリンの作用が持続する時間が3~5時間と短いので次の食前や夜間の低血糖の発現のリスクを減らすことができます。

※イメージ図

持効型インスリン

  • 商品名 ランタスXR、インスリングラルギン、ランタス、トレシーバ、レベミル

健康な人の生理的なインスリン基礎分泌(一日中、一定の量の割合で少しずつ分泌されるインスリン)に近づけるために、基礎分泌を補うことを目的につくられたインスリン製剤です。
不足しているインスリンの基礎分泌を補い、主に空腹時血糖の上昇を抑制して、1日中の血糖値を全体的に低下させる働きがあります。
注射してから効果が出るまでの時間は約1~2時間で、インスリンの作用が持続する時間は製剤によって異なりますがほぼ1日にわたります。

最近では2型糖尿病患者で経口糖尿病薬では効果が不十分な場合、経口薬を継続したまま基礎インスリンを補充する併用療法 BOT((Basal Supported Oral Therapy )がよく行われています。

BOTは、インスリン基礎分泌が不足し、空腹時血糖値の上昇を伴う2型糖尿病患者さんが適応となります。BOTにより、基礎インスリンを補充する事で、空腹時血糖値を正常化し、糖毒性を解除したり、膵β細胞の負荷を減らし、インスリン分泌を改善させることが可能です。

当院でも外来でインスリン導入し、BOTを行っている患者さんが多いです。

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