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夏に多い!ペットボトル症候群について

[2021.02.03]

ソフトドリンクのジュースにはまってしまい、沢山飲み続けてしまう人も多いと思います。私も昔、「小岩井ミルクコーヒー」を1日2本飲んでいる時期がありました。しかし、このソフトドリンク、血糖値が高い状態でたくさん飲んでしまうとペットボトル症候群を引き起こすことがあり、注意が必要です。

ペットボトル症候群とは、ジュースやコーラなど甘い炭酸飲料、スポーツドリンクなど、糖分を多く含む清涼飲料水をたくさん摂取することで発症する病気です。ソフトドリンクには予想以上に糖が含まれていることが多く、コーラであれば500mlのペットボトル1本では角砂糖14個分、スポーツドリンク500mlでも角砂糖6~8個分程度の糖が含まれています。ソフトドリンクを飲むということは、同時に大量の糖を摂っているということになるわけです。

血糖値が高くなるとのどが渇きます。その時に糖分を多く含むそソフトドリンクを飲むとものすごく美味しく感じ、一日5.6本以上飲んでしまうことも稀ではなく、更に血糖値が上昇ます。そして、さらに喉が渇き、ソフトドリンクを多飲していまうという悪循環に陥ります。通常、血糖値が高い状態であれば、膵臓からインスリンというホルモンが分泌されて糖を利用し、血糖値を下げ、エネルギーとなる仕組みになっていますが、血糖値が高い状態が長く続くとインスリンの出方や働きが悪くなることがあり、糖がエネルギー源としてうまく利用できなくなり、血糖値が下がらなくなります。糖の利用ができなくなると、それに代わるエネルギー源としてタンパク質や脂肪が分解され、エネルギーとして利用されるようになります。脂肪が分解されたときに「ケトン体」という物質ができますが、これが増えると血液が酸性に傾き、これらのことが原因となって、ペットボトル症候群の諸症状が現れます。症状としてはのどが渇く、尿量が増える、疲れやすい、吐き気がするなどの症状がよくみられます。重症になると意識がもうろうとして、時には命に関わることもあるので注意が必要です。

糖尿病の治療中の方だけでなく、糖尿病の可能性を指摘されている方やメタボリック症候群の方も含めて発症リスクが高いと考えられています。お若い肥満の方で、日常的にジュースやスポーツドリンクを大量に飲むような人が発症しやすいと言われています。熱中症予防のために、ペットボトルを飲まれる方も多いと思いますが、ペットボトル症候群を防ぐため、あるいは生活習慣病の予防のためにも、普段から水やお茶にして、ソフトドリンクを飲むのであれば過剰にならないようにしましょう。

お糖さん 高瀬真吾

糖尿病専門医、内分泌専門医

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