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糖尿病とは

糖尿病とは

糖尿病とはインスリン作用不足により、高血糖状態が慢性的に続く病気です。インスリンは膵臓から出されるホルモンで血糖値を下げる唯一のホルモンです。血糖値をある一定の範囲におさめる働きをしています。高血糖状態が長年持続すると血管がボロボロになって、心臓病、脳卒中、失明、腎不全、足の切断といった、より重篤な糖尿病の慢性合併症を引き起こします。また慢性的な合併症だけでなく、脱水を伴う著しい高血糖状態ではそれだけで意識障害(昏睡)を起こすことがあります。

インスリン作用不足とは?大きく分けて以下の2つの病態があります。

●膵臓からのインスリンの分泌が悪い「インスリン分泌不全」

●膵臓からのインスリン分泌は問題ないが、肥満など何らかの原因でインスリンが有効に作用していない「インスリン抵抗性」

それぞれの病態によって治療方針が異なります。

糖尿病の症状とは?

高血糖状態が持続すると以下の症状が生じます。

・のどの渇き

・多飲

・頻尿、多尿

・体重減少

・空腹感

・疲れやすい、だるい

合併症に伴う症状として以下の症状が生じます。

・目のかすみ

・足のしびれ、違和感

いずれにしても糖尿病の症状はほとんど無症状のことが多いです。そのため、受診するのが遅れてしまい、糖尿病と診断された時点では糖尿病による合併症が既に発症していることがあります。上記の症状や検診で尿糖や血糖値の異常を指摘された際は、なるべく早く受診し、治療を受けることが大切です。

糖尿病の分類

糖尿病は1型糖尿病、2型糖尿病、妊娠糖尿病、その他の糖尿病に分類されます。

1型糖尿病とは?

1型糖尿病は何らかの要因で自己免疫により膵臓のβ細胞が破壊され、インスリンが膵臓から分泌されなくなる病態です。インスリン分泌不全により高血糖となります。現在のところはっきりとした原因は不明です。

発症時期は様々で早いと幼児期から発症します。青年期までが多いですが、高齢になってから発症することもあり、様々な年齢で発症します。膵臓のβ細胞に対する自己抗体(抗GAD抗体など)が見つかると1型糖尿病と診断されます。

発症の仕方も様々で、数日単位で発症するものから数カ月単位、数年単位にかけて徐々にインスリン分泌がなくなるものもあります。いずれにしてもインスリン分泌能がなくなるのでインスリン注射が必須になります。

1型糖尿病の治療について

1型糖尿病の治療はインスリン療法が必要となります。インスリン製剤もここ数年で進化しており、様々な種類が出ています。インスリンを自己注射することはとても不安で恐怖に感じることがあるかと思いますが、患者様のライフスタイルに合わせたインスリン治療を選択することが可能です。

またインスリン皮下持続注入療法(CSII)による治療もあります。摂取する炭水化物の量に合わせて、インスリン量を決めるカーボカウントも有効な治療手段です。

 

2型糖尿病とは?

2型糖尿病はインスリンの分泌量が不足すること、肥満などによりインスリンの効きが悪くなること(

インスリン抵抗性)によって高血糖になる病気です。

日本人の約95%は2型糖尿病であり、主に40代以上に多く見られます。発症する要因としては体質的な遺伝的な要素もありますが、それ以上に生活習慣の乱れによる要因が多いです。肥満、過食、運動不足、加齢、ストレス、アルコールなど様々な要因が重なり2型糖尿病を発症します。

ほとんどの方は無症状のため、検診で尿糖や血糖値の異常を指摘され発見されることが多いです。

2型糖尿病の治療

2型糖尿病は過食や運動不足といった生活習慣の乱れが原因のことが多いです。そのため食事療法、運動療法といった生活習慣の是正が大切になってきます。

食事療法では適切な食事量を理解し、栄養バランスのとれた食事が大切です。間食を少なくし、水分ではスポーツドリンクなど糖分の含まれたものは避けなければいけません。

運動療法では有酸素運動がメインになりますが、無理なく継続できることが非常に大切になります。

薬物療法は上記の食事療法、運動療法でも血糖値是正が困難な場合に行います。現在は薬物療法の種類は多く、経口血糖降下薬や注射製剤があり、患者様のライフスタイルに応じて選択されます。

全ての治療において大切なことは治療を継続させることです。治療の自己中断は合併症がどんどん進行していきます。ご自身のお体、ご家族のためにも治療を継続していきましょう。

妊娠糖尿病

定義としては妊娠中に初めて発見、または発症した糖尿病にまで至っていない糖代謝異常の状態とされています。

妊娠中はインスリン拮抗ホルモンといわれるインスリンの効きを悪くするホルモンが胎盤で作られ、母体の血糖値が上昇しやすくなります。インスリン拮抗ホルモンは妊娠中にとても重要な役割を果たしているのですが、母体ではインスリンの効きを悪くし、血糖値を上昇させます。

母体の妊娠中の高血糖は母体のみならず、胎児にも影響を与えます。母体から胎児へは胎盤を通して、ブドウ糖は運ばれますが、インスリンは運ばれません。したがって胎児は運ばれてきた多量のブドウ糖は胎児の膵臓からでるインスリンで胎児の血糖値を調節しようとするため、胎児の高血糖、高インスリン血症がおこります。インスリンは成長促進作用があるため、高インスリン血症となった胎児は巨大児となります。巨大児のみではなく、先天奇形や新生児では新生児低血糖症など様々な合併症を生じる可能性があります。従って、妊娠中は厳格な血糖コントロールが必要とされ、分食などの食事療法、運動療法で血糖コントロール改善困難な場合はインスリン療法の導入となります。

その他の原因による糖尿病

血糖値は様々な原因で上昇します。上記以外の原因としては以下が挙げられます。

・膵炎など膵臓自体の病気、膵癌で膵臓摘出した場合。

・バセドウ病、クッシング症候群、褐色細胞腫などホルモンの異常によるもの。

・肝硬変など肝疾患によるもの。

・副腎皮質ステロイドホルモン、抗精神病薬など薬による薬剤性のもの

・感染症

・稀ですが遺伝子異常による特殊な糖尿病

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